それでは次にタイガーアンデッドのポイントは?
ピーコック同様、ポージングには気をつけました。こちらもあまりハ デじゃなく、どこかたたずまいで見せるような……。

着ぐるみに比べると、右腕はぐっとボリュームアップしていますね。手や二の腕の部分は目がいく所なので、僕もデザイン的にかなり凝ってみるんです。 でも腕のディティールって画面で観ているとほとんどわからないんですよね(笑)。アクションシーンではいちばん動く所なので。それがわかったので、『電王』のイマジンは、腕のデザインは割とシンプルにするようにしました。
あと、おにぎりがついているのは、やはりファンにはたまらないツボかと。
これはやはりはずせないでしょう(笑)。睦月が差し出したおにぎりを食べ「……おいしい」といった直後に彼を殴りつけるというあのシーンは、 観ていて爆笑してしまったんですよ。

あのおかげで、タイガーが出る時は絶対おにぎりをつけると決意しました。彼女は、とにかく後半睦月がらみで非常にいいキャラクターになってましたよね。そのせいか、次はタイガーを出してくれという周囲のリクエストも多かったんです。
今回、マスクの下の素顔が作られたそうですが。
デザイン画には描いていないんですが、黒い仮面の部分が別パーツになるので、原型師の川田さんの提案で作ったんです。作っていただいたもの を僕がチェックしました。実を言うと、アンデッドは全員あの仮面の下に顔があるという設定なんです。

だから、仮面が割れて下の顔が見えるということもやってみたら面白いなと思い、シリーズ後半、たしかスコーピオンアンデッドでそれをやろうとした んですよ。

ところがカメレオンとくっついてティターンになってしまったので、実現できませんでしたね。顔を極力出さないのは、オルフェノクの時もそうでしたが、ウレタンで人間ぽい顔を作るといかにも作り物に見えてしまうんですよ。だったら最初から仮面にした方が、オルフェノクなりアンデッドとして「本物」に見えるだろうということなんです。
今後、商品化してみたいアンデッドはありますか?
カテゴリーエースのスパイダーアンデッド、トライアルD、それにアルビノジョーカーですね。トライアルDは、言葉をしゃべるのがとにかく印象強かったせいか、近所の子供がやたらよくマネしていたんですよ。

「ギャレン、お前ではない!」って(笑)。このトライアルシリーズは、まさかあんなにたくさん出てくるとは思わなかったので、だんだんネタに困ってしまい、昔のライダーシリーズからモチーフをいろいろ持ってきてデザインしました。トライアルFはニセ仮面ライダー、トライアルBはゲルショッカーの首領という具合です。最初のトライアルDは、まだチューブのいっぱいついたオーソドックスな人造人間のデザインになっていますが、劇中あのチューブが身体から抜けて敵を縛ったりしていたのは、大丈夫かなと思ってしまいました(笑)

アルビノジョーカーはジョーカーを劇場用にデザインし直したものなんですが、その時に腕と足のデザインをジョーカーとは左右逆にしたんです。 ところがこれが原因でついにソフビにしてもらえなかった悲しい過去があるんですね(笑)。宇都宮プロデューサーは、そういうもどかしさがいいんじゃないですかとおっしゃっていたんですけど(笑)。
以前、いちばんお気に入りなのはモールアンデッドだとおっしゃってましたね。
そうなんですが、たぶん、人気的には下から数えた方が早い、実に地味なキャラクターですからねえ。レインボーマンでいうと土の化身、ダッシュ6みたいな(笑)。個人的には出してほしいですよ、もちろん。
 
 
現在『仮面ライダー電王』のイマジンのデザインを担当されているわけですが、3作目となると、差別化が難しいでしょうね。
ワームが生物的だったのに対し、イマジンは、おとぎ話に登場する動物を仮面舞踏会風の衣装にしたというのがコンセプトなんです。だからエリとか袖とかをつけて、それっぽく見えるようにしているんですが、ディティールよりは全体のフォルムで見せるデザインですね。ワームに比べると原色などを使って色づかいも結構ハデにしています。白倉(伸一郎)プロデューサーからの注文は結構ハードルが高くて、しかもアンデッドでもワームでもやらなかったことをやらなければいけないのでかなり難しいのですが、最近になってようやくコツをつかめてきた感じですね。

白倉さんの「シェークスピアは偉大だが、もはや新しい作品を創ることはできない。ならばわれわれは、将来を見据えて、とにかく新しいことをやっていこう」という言葉が励みになっています。

実は『獣拳戦隊ゲキレンジャー』の怪人も動物モチーフなので、ネタが極力かぶらないように、篠原(保)さんと話し合いながら作業を進めているんで すよ。肩のところに目があったりして、相変わらず篠原さんはすごいことをやっているなあと感心しています。
今後、ぜひワームやイマジンのリリースも期待したいと思います。それでは最後に、ファンへひとことお願いします。
劇中のスーツよりも痛い(本格仕様のため!?)、本物のアンデッドをぜひお手元に。ただしくれぐれもケガにはご注意ください(笑)。

1963年新潟県生まれ。クリーチャーデザイナー。造形作家・小林誠氏のアシスタントを経て独立し、
ゲーム、映画、アニメなど多くの作品にデザイナーとして参加している。

主な作品に『バンパイアハンターD』(2000)
『GUILSTEIN ギルステイン』(2001)
『ゴジラ FINAL WARS』(2004)
『仮面ライダー剣』(2004)
『仮面ライダーカブト』(2006)
などがある。現在は『仮面ライダー電王』(2007)
のクリーチャーデザインを担当中。
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